開催趣旨


 6年制薬学教育では22週間に及ぶ実務実習が行われます。この実務実習は薬学共用試験に合格した学生に実施可能な業務を体験学習させるもので、医療現場で薬剤師として戦力となるまでの教育はできません。また、多くの新卒薬剤師は業務を通じて知識、技術、態度を習得しますが、職場環境により卒後の教育訓練の内容は大きく異なります。

 一方、薬剤師レジデント制度を有する病院では、独自に策定した教育プログラムにより、臨床力と実務遂行能力を身に付けた薬剤師を輩出してきました。また、これらの病院が参加して、平成26年10月に日本薬剤師レジデント制度研究会が発足しました。現在、施設会員は29病院に上っています。本研究会では地域でのカンファレンスのほか、年次集会「日本薬剤師レジデントフォーラム」を開催して、薬剤師レジデント制度の普及と発展ならびに薬剤師教育と専門職能の向上に努めています。そして、このたび、九州で初めて、福岡の地で本フォーラムを開催することとなりました。

 今回はメインテーマに「薬剤師レジデント制度の裾野拡大」を掲げさせていただき、有意義な大会となりますように、特別講演、シンポジウム、ポスター発表などの魅力あるプログラムを企画して、準備を進めております。第8回日本薬剤師レジデントフォーラムが薬剤師の卒後教育を発展・深化させる場になればと考えております。交流を深めるためにも多くの方々の参加をお待ちしております。

福岡大学薬学部 教授
福岡大学病院
病院長補佐・薬剤部長
神村 英利